庄野潤三「静物」
「釣堀に行こうよ」とさいしょに言ったのは男の子だった。父親ははじめ乗り気でなかったが、小学一年生の男の子と、小学五年生の女の子が熱心に誘うので、重い腰をあげて出かけることにした。細君と、三つになったばかりの下の男の子は留守番だ。徒歩で十分くらいのところにある釣堀に着くと、男の子は待ちきれずに駆け出した。「早く!早く!」
- 作者: 庄野潤三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1965/03/01
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また、感じるのは彼ら親子がよく「会話」するということです。現代日本ではありえないほどに・・・。