埴谷雄高「神の白い顔」
「夢とはこれまでに意識の隅で見たものの組み合わせ」といわれるが、これは「《未知》を見よう」という私の決意を挫くものであり、そのために葛藤していた。また私は《存在》のすがたを見ようとしており、存在そのものを背後から眺めたいと渇望していた。これを手助けする暗示がかつてあり、それは少年時代に海に突き落とされたときに船の底を見て、溺死者の存在を感じたときのことであった――。
- 作者: 埴谷雄高
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1994/02
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (7件) を見る