埴谷雄高「《私》のいない夢」
暁方、白昼への目覚めが促されるとき、私は両腕をゆっくりと宙につきだしてみる。なぜなら白昼における存在は《それがそうとしか見えず、他の何をも考えられない》という罠であるから・・・。その時期、私は《私のいない夢》を敢えてみようと試みていたのだが、それは或る朝こういう夢をみたことに由来する。
- 作者: 埴谷雄高
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1994/02
- メディア: 単行本
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暁方、白昼への目覚めが促されるとき、私は両腕をゆっくりと宙につきだしてみる。なぜなら白昼における存在は《それがそうとしか見えず、他の何をも考えられない》という罠であるから・・・。その時期、私は《私のいない夢》を敢えてみようと試みていたのだが、それは或る朝こういう夢をみたことに由来する。