夢野久作「死後の恋」

 さぞかしビックリなすったでしょう。アハアハアハ。イヤ、失礼しました。誰でもいい、タッタ一人でいいから、私の話を肯定してくださるお方があったらと思って、貴下を発見けたのです。あなたこそ、私の運命を決定して下さるお方だと信じたのです。私の話を聞いて頂き、有り得るということを認めて下されば宜しいのです。恐しい「死後の恋」が有り得るということを・・・。

死後の恋 (ふしぎ文学館)

死後の恋 (ふしぎ文学館)

 突然声をかけてきた怪しげな男が、軍隊生活の中で起きた奇怪な出来事を、サスペンスフルな仕立てとともに語ります「死後の恋」、それはいったい何なのでしょうか?様々な「色」を受けとめて、不気味にギラギラと輝く宝石のシーンに眩惑されます。