大佛次郎「スイッチョねこ」

 お母さんねこのちゅういをきかないで、いたずらな白吉は虫を食べようとしてまっていました。そのうちに白吉はいねむりをはじめました。するととつぜん、口の中に虫がとびこんできて、それを白吉はむちゅうでごっくんとのみこんでしまったのです。それいらい、白吉のおなかの中からはスイッチョスイッチョという声がきこえるようになってしまいました。

日本の童話名作選 昭和篇 (講談社文芸文庫)

日本の童話名作選 昭和篇 (講談社文芸文庫)

 終戦直後に書かれた童話。母猫の言いつけを守らなかったばかりに、いたずらな子猫は大変な目にあってしまいます。そのことで慌てふためく子猫でしたが、全ての出来事には終わりがあり、大人たちへのメッセージにもなっています。ちなみにスイッチョというのは、キリギリスの親戚のウマオイのことだとか。

 いつも目をさますと、きのうとちがう新しい朝がきています。