2004-05-10から1日間の記事一覧

鶴田知也「コシャマイン記」

多くの部落を率いて蜂起したが、日本人の卑劣な罠に敗北した父。勇猛なるアイヌ民族・セタナの酋長であった父の遺志を継ぐために、母・シラリカと幼いコシャマインは敗走した。同族の誇りとして、最強の血を継ぐ唯一の人間として、コシャマインは青年になる…

中島敦「名人伝」

弓の名人になろうと志を立てた紀昌は、名人・飛衛に弟子入りした。飛衛は、まず瞬きせざることを学べと命じた。紀昌は修行した。2年の後、鋭利な刃物が目先を通っても瞬きをせぬまでになった。彼のまぶたはそれを閉じさせる筋肉の使用法を忘れ、睫毛と睫毛の…