石川淳「霊薬十二神丹」
助次郎はたわいない口論から蹴たおされ、一刀により肝腎なものをすぽりと切りおとされた。神医につかえてきた弟は、つちかった秘術を兄のために使った。天地の霊をこめた丸薬を用いることで、かのものは元の位置にもどったのである。だが、様子のことなるところがあった。平素の様子のあわれさと、事が生じたときの巨大さである。ちなみにその薬の名は、十二神丹。
- 作者: 石川淳
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/07
- メディア: 文庫
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