大江健三郎「スパルタ教育」
若いカメラマンが発表した《狂信者たち》という組写真は、各方面から厳重な抗議を受けた。その反応の大きさのため、世間知らずだったカメラマンの内部には、功名心にとってかわって恥ずかしさの虫が巣をつくった。かれは自信を失い酒に逃げるが、《狂信者たち》の問題は妻の身の安全にまで及び・・・。プライドを賭けたレッスンがはじまる。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1972/04/03
- メディア: 文庫
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結合する要素を見究めてしまえれば、酵素を用いることでそれらをバラバラにすることが出来、うまく切り離してやることで「受容」からの転換・脱却を図ることが出来るはずです。限界に達したところでブチッと切るだけじゃありません。その意味で、とても分析的な小説でした。そして、このタイトルは上手い。