三島由紀夫「橋づくし」
三人にはそれぞれ切実な願いがある。それはいずれも人間らしいものだから、月は叶えてやろうと思うにちがいない。けれども今夜は同行者がいる。無口で醜い女中のみなである。みなにも願いがあるのだろうか、生意気に。――月下に七つの橋を渡る散歩には、いくつかの決められたルールがある。それを守らないと約束は叶わないのである。
- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968/09/17
- メディア: 文庫
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