埴谷雄高「意識」
不整な脈拍が止まった後、再び動き出した鼓動を聞いても、私は安堵の気持ちはかけらほどしか持てず、生の単調さを悟ってしまった感がある。鼓動が停止したときに、私は絶望と愉悦を感じるのだろう。だが、いまは駄目なのだ。私は、蹴飛ばした小石が転がる方向に行こうと決めている。
- 作者: 埴谷雄高
- 出版社/メーカー: 現代思潮新社
- 発売日: 1960/11/25
- メディア: 単行本
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不整な脈拍が止まった後、再び動き出した鼓動を聞いても、私は安堵の気持ちはかけらほどしか持てず、生の単調さを悟ってしまった感がある。鼓動が停止したときに、私は絶望と愉悦を感じるのだろう。だが、いまは駄目なのだ。私は、蹴飛ばした小石が転がる方向に行こうと決めている。