久生十蘭「鈴木主水」
殿様が御代替の折、押原右内があらぬ権勢をふるうようになった。奥には欠込女が入り込み、連日騒ぎをしているときく。譜代の家来は、火中の栗を拾おうとせず、御暇乞いの声を出すようになった。ある日、家来の鈴木主水は「お家には悪人が不足しているが、それが不幸の源だと思って居ります」。父親は察していた。御前で思いきった乱暴をするようだな。いよいよ今日か、そう感じた。
- 作者: 久生十蘭
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/11
- メディア: 文庫
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