坂口安吾「風と光と二十の私と」
人の命令に従えず、幼稚園の時からサボることを覚えた私は、二十才のとき小学校の教員をすることになった。70人クラスのうち20人は、自分の名前以外は書くことが出来ない。だが、本当に可愛い子供は悪い子供の中にいるものだ――。不良の心を知る新米教師は、子供たちの「頭」ではなく「心」を育てようとする。
- 作者: 坂口安吾,坂口三千代,川村湊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/10/03
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
安吾の先生ぶりはとても板についていますが、それは人の心をつかむ術や、素直な心に通じることに長けていたためか。この教師時代に得た真理のいくつかは、その後の作家生活にも生かされたはずです。
読みやすく、理解しやすい。10代に読んで欲しい、秀作。
不幸とは愛されないということだ。尊重されないということだ。
「これからは人をそそのかして物を盗ませたりしちゃいけないよ。どうしても悪いことをせずにいられなかったら、人を使わずに、自分一人でやれ。善いことも悪いことも自分一人でやるんだ」。
- 開高健「裸の王様」