牧野信一「酒盗人」
連日連夜の飲み会により、とうとう酒樽が空になった。酒の主・音無家からもらってくるさ!と僕は気軽に請合うが、どうやらもう貸しは作れないらしい。せっかくみんなで貯めた金銭も、立て替え代金以上にはならないようだ。音無の奴め。・・・よし、攻め入ろう。奴らの倉から、酒を奪うために!
- 作者: 牧野信一
- 出版社/メーカー: 沖積舎
- 発売日: 1993/07/30
- メディア: 単行本
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主人公は楽天的でいつも「僕に任せろ!」と言うのですが、しかし、何も知らない世間知らずのお坊ちゃんです。そのことに気づかない彼の呑気さと、彼の顔を立てようとする村人の優しさに目がいきました。