大江健三郎「人間の羊」
バスの中。両隣の外国兵たちは酒に酔って笑いわめき、日本人乗客たちは眼をそむけていた。やはり酔っている女が、僕とからみあって転倒したとき、外国兵は女をたすけ起し、僕を強く睨んだ。肩を掴まれ突きとばされ、ガラス窓に頭をうちつけられた。外国兵はナイフを手に、うしろを向け、と叫んだ。言うとおりにする他、どうすることができよう。他の日本人の乗客たちはくすくす笑っていた。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1959/09/29
- メディア: 文庫
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それは難しいことですが、やらなければならないこと。そこで「きっと誰かが」と思うのは、これは日本人の悪い癖。日本人の、シャイで、ディベートに弱くて、笑顔で挨拶できずに、外国人に対してすぐにSorryとやってしまう部分に、怒ります。
羊撃ち、羊撃ち、パン パン