高見順「草のいのちを」
貞子というその女は二十一だという。女優になりたいらしい・・・が、無理だろう。こういう女性のほとんどが脱落していったものだ。社会を知った大人としては、無謀さを阻止すべきかもしれない。けれども、むげに希望の芽を摘みとるのは、どんなものだろうか。草が伸びようとしているのだ。伸ばせるだけ伸ばしてやった方がいいのではないか。
- 作者: 高見順
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05
- メディア: 文庫
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伸びようとする芽は、兎に角伸ばしたがいいのではないか。嵐の後の若草の明るく逞しい成長力が心に来た。