織田作之助「鬼」
流行作家の彼はいくら溜め込んでいるかと軽蔑されていたが、私のところに金の相談に来た。「何を買っているんだ?」「煙草だ。一日7,80本は確実で、100本を超える日もある」。減らせと言っても、けちけち吸うと気がつまり、仕事に影響が出るのだという――全ては仕事のためなのだ。彼は仕事以外のことは何も考えず、何一つしたがらない。ようは仕事の鬼なのである。
- 作者: 織田作之助,大川渉
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/04
- メディア: 文庫
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こういう頑固な人物が社会生活をうまく送っていくためには、周囲の人間の理解が必須です。打ち込みたいだけ打ち込める環境さえあればいい。黙っていても最良の仕事はするんだし、変に気を使うことなく放っておくのが一番なのです。
これ、本当に。ね、放っておいてくださいよ。