大江健三郎「後退青年研究所」
この世界は暗黒の深淵にむかって傾斜しているので、敏感なものたちは、いつしか暗黒へすべりおち、地獄を体験するのだ・・・。やっと二十歳になったぼくは、ゴルソン氏のオフィスでアルバイトをしていた。ゴルソン氏のオフィスに来る日本の青年たちの表情は、ぼくに憂鬱さをたっぷりと植えつけた。ゴルソン氏は、学生運動から離れた旧活動家の学生にインタビューするのである。なぜきみは後退したのか?なぜきみは挫折したのか?
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/05/28
- メディア: 文庫
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