私は人生において素人である。二十代で「めんどくせエ」を口癖にしていた頃から、それは変わっていないのではないか。私が「責任感」を持てたのは、ようやく妻をめとり、長女を得てからのことである。だがこの一年ほどの間で、私は記憶力の減退を感じだした。…
時は応仁の乱世、小さな戦のひとまず片付いた河原にて。足軽の死骸の間より、ゆらゆらと生身の女がにおい出た。あたりに目をくばったのは、陣から抜け出した山名の姫。都にもおそれられた古市の里に下り、主とちぎりをむすんだ女は数万のかしらとなって都へ…
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