2004-12-16から1日間の記事一覧

開高健「巨人と玩具」

キャラメルメーカーのサムソンは、キャラメルにつける「おまけ」の知恵を絞っていた。キャラメル業界の不透明な先行きの中、サラリーマンたちを襲う徒労、そして無力感・・・。だが、重役たちの声はたったひとつであった。「もっと売れ!もっと売れ!」――巨…

椎名麟三「自由の彼方で」

情けなくていやらしい清作は、レストランで働きながら、自分が何をしたいのか、さっぱりわからないと考えていた。ああ、どうしてぼくには幸せがこないんだろう!と裏の空地で涙していたが、そもそも幸福とは何なのかということについてさえ、具体的なことは…