石川淳「喜寿童女」
江戸下谷敷数奇屋町にいた名妓・花は、幼い頃から精気さかんで、生涯に男を知ること千人を越えた。それが天保四年癸巳三月一日、花女七十七歳の喜寿の賀宴のさなか、とつじょ行方知れずになった。そして花女は胡兆新伝来の甘菊の秘法により、老女変じて童女となり、将軍家斉に献上されたのである。
- 作者: 石川淳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/06
- メディア: 文庫
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激動の時代に、意外の連続のストーリー。天下の将軍がそんなことを?伊藤博文のカバンの中にそんなものが?(実際、伊藤博文の女性関係は大変なことだったとか) まさか、けれども、これだけ証拠を挙げられると、もしや、いや、と逡巡するさなかに、ふと作者の方を見ると、そこには・・・ああ、最後の最後まで見事です。