2004-03-26から1日間の記事一覧

坂口安吾「肝臓先生」

「足の医者」を誓った赤城先生は、雨ニモマケズ風ニモマケズ、私生活を犠牲にして人々のために町中を走り回っていた。だが、あるとき妙なことに気がついた。診る患者のすべての肝臓が腫れているのだ。伝染性肝臓病だろう。だが、町の人々は先生を肝臓医者と…

佐多稲子「キャラメル工場から」

ひろ子の父親は仕事をしたりしなかったりで、家族を怒鳴り散らして過ごしていた。ある日、彼はひろ子へ向かって、遠い場所にあるキャラメル工場での仕事をつたえた。工場の名が知れていたので、気が向いたにすぎなかった。ひろ子は次の日からしょぼしょぼと…