ルイス・カトウ・カトウ君は、キューバで私についてくれた現地ガイドである。このカトウ君、日本語の読み書きはほとんど出来ず、町の様子にも通じていない。けれども「アチーネ、アチーモンネ」と繰り返しながら、「ドコサイクカネ」と行こうとしている。そ…
おれの心が屈していたのには2つの理由がある。1つめは、黒い男が雨の中を逃げまくり、白い兵隊と黄色い警官が、その姿を追って、なぶりものにしたのを見たからだ。もう1つは、Qと出会ってしまったせいだ。おれはあのQのことが――やはり、はっきりとその名…
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