2005-07-05から1日間の記事一覧

小林秀雄「中原中也の思い出」

中原は生活に密着した詩を書き、悲しみの救いを悔恨のうちに求め、告白した。しかし告白は、新たな悲しみを作り出す事に他ならなかった。自分の告白に閉じ込められ、出口を見付けることが出来ずにいた。それは彼の誠実のためだ――。現代の随想 5 小林秀雄集作…

壇一雄「降ってきたドン・キホーテ」

一月元旦。変り映えのしない年賀状の中に一通、馬鹿デカイ封筒が混じっていた。これこそは誰あろう、ラ・マンチャの騎士ドン・キホーテ氏からのものだった!どこかの大統領が会見を申し込んできたのとはわけが違う。偉大なる騎士をどのように迎えるか、浴び…