井伏鱒二「へんろう宿」
ここ「へんろう宿」で私を出迎えてくれたのは、50くらいの女である。奥の部屋へ行くためには居間を通る必要があるが、そこには80ぐらいのお婆さんと60くらいのお婆さんが座っていた。どこを見渡しても、男手というものが見当たらない。いわくについて知ることが出来たのは、隣室の客とお婆さんの一人の話し声が耳に入ってきたためだった。
- 作者: 井伏鱒二
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