武田泰淳「「愛」のかたち」
肉体に異常な欠陥を持ちコンプレックスに悩む町子は、生活を保障してくれる夫と、1人の女として遇してくれる光雄との間であぶない橋を渡っていた。ところが光雄という男は人間性を持っておらず、感情ではなくテクニックだけで生活する男であったのだ。それでも町子は光雄といつか結婚すると信じていた。だが、町子の自信は光雄から恋愛の引力を奪ってしまったようで・・・。
- 作者: 武田泰淳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/12/03
- メディア: 文庫
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「自分たちどうしでは、悪いことやってる気はないな。ただこれだけの事しているというだけで」
「そりゃ、そうよ。わたしだって、好きなんだから、あなたもわたしが好きだからこうやってるだけですものね。だけど、やっぱり、これは悪いことなのよ」
愛する者は愛のために苦しむことをも愛す